特急券の分割による節約
(讃)高松→観音寺の自由席特急券です。途中の高瀬駅で区切って購入しました。
(讃)高松→(讃)高瀬間が530円、(讃)高瀬→観音寺間が330円なので、料金は合わせて860円です。
同じ区間をYahoo!乗換案内で検索してみましょう。
特急列車の自由席を利用しており、その特急料金は1200円です。これは(讃)高松→観音寺間を途中駅で区切らず、通しで購入した場合の料金です。(讃)高瀬駅で区切る方が区切らずに購入するよりも340円も安くなっています。何故このような現象が発生するのでしょうか。
始めに、区切らず購入した場合の料金を考えてみます。旅客営業規則(以下旅規)第125条第1号ロの(イ)bによって計算します。高松・観音寺間の営業キロ56.5kmに対応するところは表の100キロメートルまでなので、1730円から530円を低減して1200円となり、乗換案内の結果と一致しますね。
次に、区切った場合の料金を考えてみます。区切らない場合と同様に考えて、旅規第125条第1号ロの(イ)bをもとに料金を算出したいところですが、JR四国内の短距離の特急料金は通常より安く設定されているので、他の条文も参照します。(旅規第57条の3第2項及び旅客営業取扱基準規程(以下基準規程)第97条の2第3号)。つまりは、長距離を通しで買うより途中駅で分割し短距離2つにした方が安い場合があるというわけです。
高松から高瀬までの営業キロは47.0km、高瀬から観音寺までは9.5kmで、どちらもJR四国内に運転する特急列車の50km以内の停車駅相互間に該当します。よって、基準規程第129条の2第2号イの表を用いて計算します。
(讃)高松→(讃)高瀬は50キロメートルまでなので530円、(讃)高瀬→観音寺は25キロメートルまでなので330円で、上のマルス券と金額が一致しますね。(※)
あくまで個人的な見解にはなりますが、JR四国の多くの路線は普通列車の本数が極端に少なく、特急列車を利用することも少なくありません。そこで、短距離であっても気軽に特急列車を利用できるようにするためにこのように安価な特急料金が設定されたものと思います。
節約としては大変有効な使い方ですが、万が一輸送障害が発生した際に無賃送還などで旅客不利になる場合もあります。他にも、払戻をする際に手数料が2枚分発生してしまうなどメリットばかりではありませんので、実行される際には自己責任でお願いします。
※リンク先の情報が若干古いもので、消費税が5%のころのものです。現在と多少金額は異なります。
(特定の特別急行券の発売)
- 旅規第57条の3
- (略)
- 2
- 前項の規定によるほか、新幹線以外の線区であって、別に定める区間を乗車するときは、特定の特別急行料金によって指定席特急券、立席特急券、自由席特急券又は特定特急券を発売する。ただし、乗車する列車を限定して発売することがある。
(略)(大人の特別急行料金の特定)(略)ア 指定席特急料金
次表に定める料金とする。ただし、規則第57条の3第1項第1号の規定により発売するものにあつては、同表に定める料金から200円を、同条第3項の規定により発売するものにあつては、同表に定める料金から510円をそれぞれ低減した額とし、また、同条第1項第2号の規定により発売するものにあつては、同表に定める料金に200円を加算した額とする。