日本一営業日が短いJR駅「津島ノ宮」
概要
通年営業はせず,駅付近の施設や催事などに合わせて営業される「臨時駅」。よく知られているものとして,ガーラ湯沢駅,鹿島サッカースタジアム駅などがありますが,その中でも一際営業日数が最も短いことで異彩を放つ「津島ノ宮」駅があります。
この津島ノ宮駅は,駅近くにある津嶋神社の夏季例大祭に合わせ,毎年8月4日,8月5日の2日間のみ営業しています。
予讃線の海岸寺・詫間間に位置し,営業キロは高松起点39.5kmです。たった2日間のみの営業であるため,時刻表では月刊の8月号,季刊の夏号にしか掲載されず,まさに幻の存在といった感じがします。
決まって毎年2日間営業してきた津島ノ宮駅ですが,一昨年と昨年は新型コロナウイルスの影響により夏季例大祭が中止され,駅の開設もありませんでした。したがって,今年は3年ぶりの営業ということなので訪問してきました。
津島ノ宮駅・津嶋神社
下りのサンポートで到着。ホームがカーブの外側にあり,段差のきつさゆえ子どもは社員の方に支えられながら乗降しているようでした。
見ての通り,駅舎は趣のある佇まいをした出改札の建物とテントの簡素な造りです。
8月4日と8月5日の2日間だけこの「つしま橋」に板が敷かれ,津嶋神社の本殿がある対岸の「津島」に渡ることができます。こどもの守り神として信仰を集めているそうで,親子連れの姿が目立ちました。
時間の都合上津島に渡ることは叶いませんでしたので,画像右側,本土の遥拝殿を参拝してきました。
境内には多くの夜店が立ち並び,8月4日夜には花火大会の開催もあります。
ここで一つ豆知識ですが,駅名は「津島ノ宮」,神社は「津嶋神社」と,シマの漢字が異なっています。これは,昭和27年に「津島神社」から「津嶋神社」へ改められたものの,駅名は大正4年の駅開業(当時は仮乗降場)以来改められていないことによります。
乗車券類
津島ノ宮駅
出札窓口は車内補充券発行機を用いての運用(画像左),改札窓口はござを屋根代わりにして涼しげな風貌をしています(画像右)。
「(臨)津島ノ宮」と表記されていますが,これは車内補充券特有の表記です。
2019年10月の消費増税後初の開設であるため真新しい運賃表。
故障や電池切れなのか,はたまたまた別の要因なのか,一時的に車発機が使用できない事態が発生し,乗車駅証明書を発行していました。車掌は無人駅での精算に追われ,ただでさえ遅れ気味の予讃線の遅延が増大しましたが,イベントにアクシデントはつきものです。
海岸寺駅
通常,海岸寺駅に隣接する多度津駅,詫間駅までの運賃は210円ですので170円区間の口座は非活性ですが,津島ノ宮駅までは170円ですので特別に口座が設けられます。
前回の営業時は増税前の160円でしたし,JR四国は来年運賃の改訂を控えていますので,170円区間ゆきは今年しか買えない乗車券なのかもしれません。
マルス端末券
MV端末では発売できず,アシストMVを利用するか,みどりの窓口に出向くことになります。えきねっと ,e5489は対応していますので,それらを利用すればMV端末でも発売できます。
POS端末券
左から,JR四国のPOS端末,B-POS端末券(※)です。JR四国のPOS端末の場合,画面には「(臨)津島ノ宮」と表示されますが券面には現れません。
※特急券を同時購入しています。
補充券
4138Mの車内で発行された車内補充券です。通常この列車はワンマンですが,臨時に車掌が乗務していました。
近永駅発行の,補充片道乗車券(画像左)と出札補充券(画像右)です。
前述の通り,POS端末の画面には「(臨)津島ノ宮」と表示されるため,本例はその通り転記されています。「(臨)」を省いて「津島ノ宮」と記入する例もあるようで,担当者によってまちまちなようです。
最後に
原稿用紙4枚分になってしまいましたが,ここまでお付き合いくださりありがとうございます。次回の開設は2023年の8月4日ですが,昨今の社会情勢の変化は凄まじく,来年開設されるのかも若干怪しいところではありますがくれぐれもご自愛いただきたいと思います。
最後におまけです。それでは。